営農型太陽光の導入

営農型太陽光(ソーラーシェアリング)とは

農林水産省の発表により、平成25年3月31日を境に、農地として使われている土地において、 太陽光発電と農業を同時に行うことができる営業型太陽光発電ができるようになりました。

営農型太陽光発電設備とはソーラーシェアリングとも呼ばれ、 太陽の恵みを農業作物と、電力発電とで分かち合うようにした仕組みです。

ソーラーシェアリングとは農地に支柱を立てて、その下では作物を作ることが出来るようにした太陽光発電設備を用いて、農業と電力発電を同時に行う、土地を有効活用できる農地活用法です。 太陽光パネルが光を全て遮ることはなく、作物の生育には影響を与えません。配置の仕方を工夫し、太陽光発電パネルを設置することで、 農業を行いながら、電力を発電することができます。

光飽和点について

農作物は一定量の光があれば育ちます。余分な量の光は光合成に繋がらず、成長には必要のないものとなります。 光合成に繋がらない光の量を光飽和点といいます。 ソーラーシェアリングは光飽和点を利用します。農作物によって光飽和点が異なりますが、成長の妨げにならないのは遮光率30%程度とされています。光飽和点のない農作物も存在しますが、多くは太陽の光を遮っても問題なく成長します。

例ですと、トウモロコシとサトウキビには光飽和点が存在しません。太陽の光を浴びれば浴びるほど、光合成を行います。 反対にケヤキとサトウカエデは光飽和点が低く、照度が20キロルクスを超えたあたりで、いくら照度を上げても光合成量が変わらないことがわかります。光飽和点を利用しているソーラーシェアリングと相性がいいです。
  • POINT 光飽和点が存在する作物に関しては、 パネルの設置方法を調整すれば、作物の生育に影響を及ぼしません。

営農型太陽光発電
設置のメリット

01.収入の増加

農業から得られる収入の基準が、非常に低いものとなっています。 会社勤めと農業を両方行う兼業農家で生活をしたり、農業を続けているのが年金暮らしの高齢者といった状態です。 ソーラーシェアリングを行うことによって、売電収入を得ることができ、農業収入以外の収入が期待できます。収入の増加により、兼業農家から専業農家へ移行することにより、より品質の高い作物を作ることが出来ます。 70代現役も多数!生涯現役で働ける環境です

02.農作物にとってよい土作り

太陽の光が適度に遮られることにより、湿度を保つことが出来るため、微生物の活動を助けることが出来ます。 そのため、よい土を作りやすくなります。

03.農作業がしやすくなる

畑の上に太陽光パネルがあるので日影ができるため、夏場の作業が楽になります。

設置方法

野立て設置にしたい場合には農転が必須となります。 農転が許可されなくても一時転用許可を得ることで営農型(ソーラーシェアリング)を行うことができます。

  • 方法1

    1.営農型太陽光発電
    (ソーラーシェアリング)

    営農を続けながら、太陽光発電を設置する手法です。

  • 方法2

    農地転用型太陽光発電
    (野立て)

    農地を転用し、太陽光発電の設置をする手法です。

農地転用について

農地転用の手続きが必要

農地に太陽光発電を設置するときに 無断 で行うことは出来ません。 農地転用という手続きが必要になってきます。

農地転用とは農地を農地でなくすこと。農地は、国民の食料を生産する基盤です。 日本において、農地は希少価値の高いものと定められているため、農地の利用や開発が農地法によって一定の規制が設けられています。 転用許可の対象はすべての農地であり、土地投記簿上では農地 となっていなくても 現状農地として使用しているならば農地となります。 荒廃していても現状農地として使用していたら農地となり、農地転用の対象となります。

他の農地転用の詳細

+

農地の所有者自らが自分で使用するために転用を行う場合許可が必要

農地法第4条


農地の所有者自らが自分で太陽光設備を設置する場合は、第4条の許可が必要です。 農地法第4条の規定による許可申請書の記載事項には、 転用の目的と理由、転用の時期 などが求められます。重要なことは計画の具体性であり、なんとなくという理由では申請が通らない場合が多いです。

事業契約や、資金調達についての計画もはっきりさせる必要があり、 許可の下りない場合は計画が具体的でないことがあげられます。 事業計画をしっかり作っても、転用の許可が出ない場合もあるので注意が必要です。また、転用することによって生じる 付近の土地や作物などへ、影響を与えないことを証明 しなければなりません。


許可を得るためには…

1. 転用の目的と理由 2. 転用の時間 3. 事業契約 4. 資金調達 などが必要です。


農地法第5条


転用を目的に農地を買ったり借りたりする場合、許可で必要

転用を目的に農地を購入したり、借りたりする場合は第5条の許可が必要です。 転用を行う人ではなく、農地の売主と借主とで申請を行います。 許可申請書の記載事項は第4条とほぼ同じです。

農地法 許可が必要な場合 許可申請者 許可権者
第4条 自分の農地を転用する場合 転用を行う者(農地所有者) 都道府県知事
農地が4haを超える場合は農林水産省大臣
(地域整備法に基づく場合を除く)
第5条 事業者等が農地を買って転用する場合 売主(農地所有者)
買主(転用事業者)
同上
+

届出と許可申請の違い

農地転用の手続きは複数あります。 まず、農地が都市計画法により、 「市街化区域」 に該当するか、 「市街化調整区域」 に該当するかで変わってきます。 市外区域に該当する農地の場合には届出をします。市街化調整区域に該当する農地の場合には許可申請をします。


区分 営農条件、市町地化の状況 許可の方針
農地区域内農地 市町村が定める農業振興地域整備計画において
農地区域とされた区域内の農地
原則不許可(農振法第10条第3項の農地利用計画において
指定された用途の場合等に許可)
甲種農地 第1種農地の条件を満たす農地であって、
市街化調整地域内の土地改良事業等の対象となった
農地(8年以内)等特に良好な営業条件を備えている農地
原則不許可(土地収用法第26条の告知に係る
事業の場合等に許可)
第1種農地 10ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地 原則不許可(土地収用法対象事業の用に供
する場合等に許可)
第2種農地 鉄道の駅が500m以内にある等市街地化が見込まれる農地または生産性の低い小集団の農地 周辺の他の土地に立地することができない場合等は許可
第3種農地 鉄道の駅が300m以内にある等市街地化の区域または市街地化の傾向が著しい区域にある農地 原則許可

無許可で農地を転用した場合は、 農地法違反となり、罰則が課せられます。 例としては3年以下の懲役または300万円以下の罰金があげられます。 原状回復の義務も生じます。無断利用をしないようにして、しっかり許可を取りましょう。

+

農地法第4条、第5条により、農地の面積が4haを超える場合、農林水産大臣。超えない場合は都道府県知事の許可が必要です。

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