営農型太陽光情報提供システム.com
運営元:株式会社野田建設
弊社では、「SDGs」に賛同し、「7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
「2:飢餓をゼロに」を達成します。
「農業を続けながら、太陽光発電を設置して収入源を増やしたい」
「使っていない農地に、太陽光発電を設置して有効活用したい」
ここでは、こんな悩みや考えをお持ちの方に向けて、営農型太陽光発電と野立て太陽光発電の違いとそれぞ れのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
最後までお読みいただければ、ズバリあなたがどちらの太陽光発電に向いているのかがわかります。
営農型太陽光発電と野立て太陽光発電は、具体的にどのようなポイントが違うのでしょうか。
まずは、2つの太陽光発電の概要を簡単に解説してから、その違いについて詳しく解説していきます。
営農型太陽光発電は、農作物を育てている農地に太陽光発電を設置して、農業と太陽光発電の2つの事業を行う太陽光発電のことです。
太陽の日射を農業と太陽光発電でシェアするため、営農型太陽光発電は「ソーラーシェアリング」とも言われます。
農業での収益を得つつ太陽光発電の売電収入もダブルで得られる、いわば一石二鳥の太陽光発電のスタイルとして注目を集めています。
住宅や建物の屋根ではなく、地面に直接柱を立てて設置する太陽光発電が野立て太陽光発電です。
太陽光発電に注力するため、もちろん農業は行いません。
大まかな区分で言えば、農地に支柱を組んで太陽光発電を設置する営農型太陽光発電も野立て太陽光発電の一部とも言えます。
そのため、農地に野立て太陽光発電を設置する場合、営農型太陽光発電と区別するため「農地転用型太陽光発電」と呼ぶことも多いです。
この名称からわかるように、農地に野立て太陽光発電を設置する場合、土地の地目を農地から転用しなければなりません。
営農型と野立て太陽光発電の違いは、大きく次の3つが挙げられます。
1. 農業を行うか否か
2. 設置する土地
3. 太陽光パネルの設置方法
1つずつ詳しくチェックしていきましょう。
当然ですが、農業を行うのか否かが営農型太陽光発電と野立て太陽光発電の最大の違いとなります。
野立て太陽光発電は太陽光発電事業のみのため、発電量をどう増やすかだけを考えればOKです。
一方の営農型太陽光発電は、農業の効率をいかに下げずに太陽光発電の発電量も確保できるかが勝負になります。
太陽光発電を設置する土地の地目が、農地かそれ以外かという違いもあります。
土地の地目が農地のまま設置できる営農型太陽光発電に対して、野立て太陽光発電は農地以外の地目でなければ設置できません。
なお、営農型太陽光発電の地目は農地のままになりますが、そのために必要な手続きがある点には注意しましょう。
どちらも地面に直接支柱や架台を立てて設置するという点は共通していますが、細かく見ると太陽光パネルの設置方法が異なります。
営農型では農作物への太陽光の日射を考慮して、ある程度の間隔を空けて太陽光パネルを設置しなければなりません。
また、人やトラクターなど農業機械の農作業スペースを確保するため、柱は高さ2m以上が望ましく、柱間隔にも注意が必要です。
一方の野立て太陽光発電は、農業への配慮が必要ないため柱の高さは自由ですし、太陽光パネルも低い位置に間隔なく敷き詰められます。
営農型太陽光発電と野立て太陽光発電の違いがわかったところで、それぞれのメリットとデメリットを順に把握していきましょう。
営農型太陽光発電のメリットは、大きく以下の3つが挙げられます。
● 農業と太陽光発電を両立できる
● 10kW以上の低圧でも全量売電OK
農業を継続しながら太陽光発電も両立して行い、双方で収入を得られる点が営農型太陽光発電の最大のメリットです。
農業で使っていない農地の上空部分を太陽光発電で有効活用しつつ、農作物を育てられます。
営農型太陽光発電は出力10kW以上の低圧であっても、FIT制度の全量売電を選択OKです。
2020年のFIT制度改正後、全量売電は出力50kW以上の太陽光発電のみで、10kW〜50kWの低圧は余剰売電のみとなりました。
しかし、営農型太陽光発電は特例として、出力10kW以上でも全量売電・余剰売電いずれの選択も認められています。
農地での電力消費量の大きさから、余剰売電か全量売電か好きな方を選べる点は嬉しいメリットです。
補助金を使ってお得に導入できる点も、営農型太陽光発電の大きなメリットの1つでしょう。
現在、一般的な太陽光発電に国からの補助金はなく、公募している自治体も一部です。
一方の営農型は、環境省から公募されている「地域における太陽光発電の新たな設置場所(営農地・ため池・廃棄物処分場)活用事業補助金」が使えます。
補助率も設置費用の2分の1(上限3億円)と高いため、ぜひとも上手に活用していきたいです。
営農型太陽光発電のデメリットは、以下の3つがあります。
● 野立てに比べて発電量が少ない
● 農地一時転用許可などの手続きが必要
● 適した農作物を選ぶ必要がある
営農型太陽発電は、太陽光パネルを敷き詰められる野立て太陽光発電と比べると、どうしても出力の違いから発電量が少ないです。
単純に発電量を追い求めるのであれば、太陽光発電に注力できる野立て太陽光発電に軍配が上がります。
太陽光発電の手続きに加えて、営農型太陽光発電特有の手続きが必要になる点も1つのデメリットと言えるでしょう。
具体的には農地一時転用許可の申請のほか、農作物の生産状況を毎年報告する義務や定期的な調査・審査などがあります。
デメリットというよりも注意点となりますが、農作物は営農型太陽光発電に適したものを選ばなければなりません。
太陽光パネルで日影ができるため、どうしても農作物に向き不向きが出てきます。
農業の収入が減ってしまっては本末転倒なので、農作物は営農型太陽光発電の実例などを参考に選んでいきましょう。
野立て太陽光発電は、次に挙げる2つのメリットがあります。
● 営農型よりも発電量が多い
● 利用していない農地を有効活用できる
野立て太陽光発電は営農型よりも太陽光パネルを多く設置できるため、発電量が多くなります。
そのため、電気代の削減効果と売電収入によって経済的なメリットを十二分に実感できるでしょう。
遊んでいる農地を太陽光発電で有効活用できる点も、野立て太陽光発電のメリットです。
農地をそのまま放置して固定資産税だけを払い続けるよりも、太陽光発電で継続的に収入を得るほうが有益なのは間違いありません。
以下の2点が、野立て太陽光発電のデメリットです。
● 農地転用が必要
● 50kW未満は全量売電NG
農地に野立て太陽光発電を設置する場合、農地転用の手続きが必要です。
たとえ自分が所有する土地であっても、勝手に住宅や太陽光発電を農地に建てることは許されていません。
また、農地の転用は許可されにくいケースもあるので、注意が必要です。
野立て太陽光発電は営農型のように特例措置がないため、50kW未満の場合は全量売電ができません。
余剰売電を選択することになるため、電力の消費先がある前提で導入する必要があります。
営農型太陽光発電と野立て太陽光発電どちらを選ぶかの最終的な判断は単純で、「農業を続けたいかどうか」です。
農業を続けたいのであれば営農型、そうでないのであれば太陽光発電の効率を考えて野立て太陽光発電を選択すべきでしょう。
しかし、補助金の有無や全量売電を選べるか、農地を転用するハードルなど双方にメリット・デメリットがあります。
それぞれの特徴を十分に理解した上で、あなたに最も適した太陽光発電を選択しましょう。